BDA GALLERY 2 : 2012

2012/12/24

クリスマスイブ

















Hollywood, CALIFORNIA

クリスマスイブですね。
明日の朝、子供たちの笑顔が町中に溢れる。

先日、コネティカット州で悲しい事件が起きた。安全であるはずの小学校で。
犠牲になった子供たち、その家族もまたこの日を楽しみにしていただろうと。
当たり前の日常、来るべき明日が、一人の若者によって壊され、

子を持つ親として、胸が締め付けられる思いで . . . 。

親が子供たちに残すべき未来は、
銃で子供が犠牲になる社会でも、銃で子供を守る社会でもない。

無邪気な笑顔に銃口が向けられる。

狂気は歪んだ社会が生み出したのかもしれないということ。
決して許されることではないが、引き金を引いた彼でさえ、
あの頃の自分がそうであったように、ケーキやおもちゃを前に、
無邪気な笑顔でこの日を祝った思い出があったはず。

何が違ったのか。

今を生きる大人たちが、今何をすべきなのか。
懐の銃で何を守り、何を撃とうとしているのか。

かわいいお洋服も、ぬいぐるみも。その優しさと共に、
素敵な未来をプレゼントすることはできないものだろうかと、

聖なる夜に願う. . . 。

2012/12/21

5連休って!?

 















#2 Porcelain Fused to Metal Crown   - after build up -

ということで、車ばっかりになってしまったので画像を張り付けてっと。
歯科技工士ですからね、毎日ちゃんと歯作ってますよ。

うちの冬休みの話ですが、5連休だ!なんて張り切っていたんですが、
2日からスタートのドクターがほぼ9割でした。 はい、勘違い!(笑

無理ですね。

郵便配達も年末スケージュールで大晦日、元旦と動かないそうで。
前もって発送したはずのケースが万が一、届いてないとか。
想像するだけでブルッときちゃうわけですが、
そんな時に限ってうちが休みで対応できなかったとなると、
もう、オシッコ漏らしちゃいますね。品がなくてスイマセン!

やはり、誰かいないとだめでしょうねぇ。しかも . . .

9月頃だったかドクターからメールがありまして。
なんでも大事な患者さんがスペインから来るらしく、
年明け早々にセットしたいとのこと。二つ返事でハイよ〜!なんて。

えーっと、すっかり忘れていましたよ。そんな前の話。

先日、当たり前のようにケースが送られてきましてね。(汗
どんなに VIP な患者だろうが、スペインから来ようが、遠くへ引っ越そうが、
結婚式だろうが、年内にどうしてもって言われようが、

なんだろうが . . .

全てのケース、一つ一つが私にとっては大事なんですけどね!
そんなこと言われたからって、優先順位を変える気はないんですよ。

言ってしまった以上はやるんですがね。

寝る時間を惜しむか、休み返上で対応するしかないじゃ〜ないですか。
ということで、5連休ってなんの話!?このやるせなさはいったい . . . 。(涙

2012/12/18

LA Auto Show 2012 -3-


















3回に続いてお送りしてきた Auto show ネタですが、
いよいよ最後になります。ここにきて自己満足度は120%を越え、
溢れ出るこの思いを抑えるのに必死です。( 笑

さて、ちょっと昔話ですが、車好きの私が初めて手に入れた車はトヨタでしたね。
さらに言うなら、免許取り立てで乗ったのもトヨタ。教習所でもトヨタでした。
専門学校卒業とほぼ同時に買った、チェイサーのツアラーV。
フルオプションの真っ白いピカピカの新車が、営業マンと共に夕暮れ玄関前に。

その時の喜びは天にも昇る気分でした。今でも忘れません。

とにかく欲しくて欲しくて、歯科技工士になったら働いてローンを組む。
車の雑誌を眺めながら過ごす毎日、いつしかそれが目標になってました。

担任から勧められた専攻科の話も蹴ってましたね。(笑

その頃からトヨタ一筋。何かとひいきにしていましたが。
いつしか乗りたくないメーカーになってましたね。
というのも、当時のアメ車やヨーロッパ車が持つ荒削りな個性というか。
その個性の薄さ、良く言えば優等生過ぎるその存在がどうも . . . 。

その高級チャンネルでもあるレクサスに至っては、
細かなところがトヨタじゃん!と思わせる要素がそのまま残っていて。
なぜ高いのか理解すら出来ませんでした。いや、いい車だとは思いますよ。
世界中で相当売れていますし、高い安全性と技術で、壊れない日本車。

モノ作り日本のイメージを牽引する、代表的なメーカーだとは思います。

でも、乗りたい車、運転したい車ではなかったんですね。
あくまでも個人的意見です。が、今回。コンセプトで発表されていた2台。
その場からしばらく動けませんでした。やり過ぎ感は否めませんが、

その造形に魅了されてしまいましたね。

こんな車が公道を走っていたら、間違いなく2度見どころか3度見してしまう。
LF-CC と LF-FC 。しかもその2台ともがクーペ。



















スポーツカーは実用性を無視した、どこか嗜好品的な存在。
そんなある意味おバカな車をがっつりと開発してしまう心意気。
レクサスがトヨタとの差別化をハッキリと打ち出してきたようにも思いましたね。
そして、もちろんトヨタ十八番のハイブリットシステム搭載、

今、求められている環境にも優しい車なんです。



















実用性やデザインで万人受けするよりも、自分たちが作りたい車。
車キ◯ガイがいろいろ考えて、こんなの作ってみました!
と言っているようで。いい意味で一番期待を裏切られた車たちでしたね。

素直に好感が持てました。

ここで紹介出来たのはごく一部ですが、各メーカ毎、様々な車たちに出会い。
作り手の表現したいものが個性となり、形に現れているように思えました。
歯科技工物も車も同じ “もの” と考えるのなら、そこにあるのは作り手の思い。

作りだす歯に、良くも悪くも現れているでしょうね。

 










 





















毎年参加しているのですが、今回もだいぶ撮ってしまいましたね。
某モーターショーのように、ボンネットにセクシーお姉さん。
車を取り囲むようにケバいキャンギャル。

そんなのが、少ないのも良いところです。車が撮りたいのに正直じゃま

以前は超高級車のランボルギーニ、フェラーリ、スパイカー。
ロールスロイス、マセラティもブースを出してましたね、最近は見ません。
不景気の影響か多少盛り下がってきてはいますが、
LA Auto Show は車好きにはそれなりに楽しめます。

来年も行くんだろうな . . . 。長々とお付き合いいただき、ありがとうございます。



2012/12/17

LA Auto Show 2012 -2-

















さて予告通り、前回に続き自己満足度98%の Auto Show ネタです。
車にあまり興味の無い方はスルーして下さい。

ここカリフォルニアは全米でもっとも排ガス規制の厳しい州でもあるので、
ロサンゼルスで行われるこのショーにはエコな車や燃費の良い小さな車が、
数多く出展されていますね

しかし、車を楽しむ者としてはちょっと物寂しい。

近頃のエコありきの車作り。車好きとしては、正直乗りたい車が見当たらない。
お気に入りの車を所有する喜び、運転する喜び、それは人生の一つの楽しみ方。
ものの見方の問題ですが、その手の移動手段としての車、
燃費の良いだけの車に、あまり興味がないのであしからず。

独断と偏見で勝手に紹介させていただきます。





























まず、先日ちらっと話に出てきたコルベット。

もうモデル末期も末期。来月には新型が出ますが、現行もまだまだ熱いです。
なんせこの60周年記念モデルのコルベットZR1は7リッター500馬力。
バイパーにこそ及ばないものの、お値段も10万ドルオーバーですからね。
そんなお車にペタペタと触れて、パシャパシャと撮ってきました。
さすがに乗り込む事は出来ませんでしたね。






























つづきまして、キャデラック。大きなボディの XTS です。

正直、セダン買うなら本気で考えたい一台でしたね。
高級車オーラ出まくりですし、インテリアはハイテク感が凄かったです。
メーター類は全て液晶画面。ボタン類は押すんではなく、触れる感じで操作。
座り心地も、広さも素晴らしかったですね。レクサスよりこっちかな。


















そして、ミニ。カントリーマンです。もはやミニではないですね。

乗った感じも天井は高いし、後部座席は十分広いですから大人4人楽勝です。
お洒落でかっこ良かったですね。あんなモディファイやこんなモディファイ。
勝手に妄想してしまいました。お値段もぐっと現実的ですし。
とはいえ、車3台も所有できませんからね、愛車を手放す気はまだないですし。
会社の駐車場に社用として置いてあったらテンション上がるな。
みんなで乗れたらいいかも . . . 。

さて、次回がいよいよ最終回です。
いい意味で期待を裏切ってくれた、もっともお気に入りの車をご紹介です。

つづきます。

2012/12/16

LA Auto Show 2012 -1-

 















Los Angeles Downtown, CALIFORNIA

もう先週になりますが、忙しい合間を縫って LA Auto Show に行ってきまして。
なんとか、最終日にギリギリ間に合いました。
当日は、人がまだ少ない早めの時間から張り切って行ってきましたが、
午後には駆け込みの客でごった返し、まともな写真が撮れなかったですね。
とはいえ、暗くなるまでたっぷりと最新の車に触れてきました。

お目当てはアウディ、ランドローバー、ダッジ。






























正面入ってすぐ、好調のアウディブースでしたね。

新型デザインの発表こそ無かったですが、個人的に大好きなメーカーです。
ブースに並べられたピカピカの車にはテンションが上がります。
実際に座ってみたり、あーでもないこーでもないと、
買えるわけでもないのにいじり倒してみましたよ。
その斬新なデザインで気に入ってた A7、思ったより後ろが狭かったな。
ハイパフォーマンス使用の S6、S8 は憧れですね。






























ランドローバーからはレンジローバーボーグ。新型の発表です。

SUV では世界初のアルミモノコックボディに進化し、
現行よりも400キロ以上軽くなったとか。その走りは別物なんでしょうね。
今までの無骨なイメージから全体的にエレガントさを増したデザインに。
そのうち出るだろう新型レンジローバースポーツにも反映するんでしょうから、
現行がぐっと古臭く見えてしまうのは致し方ないですね。 (涙






























そして、ダッジ バイパー SRT ですね。
アメリカを代表するスーパースポーツカーです。
10気筒の8.4リッター、640馬力。いやーかっこいい!
ヨーロッパ車にはない、色気というか。 大好物です。
新年早々、バイパーと並ぶアメリカを代表するスーパースポーツカー、
シボレーコルベットも発表されます。元気なアメリカを取り戻すべく、
この手のおバカな車には期待してしまいます。
アメリカンマッスルカー好きにはたまらないですね。

ということで、お目当ての車たちを堪能してきたわけですが、
車好きの方以外には、まったく興味のないだろう今回の記事。

次回は、その他の画像とともに。独断と偏見による、
上記3社以外の、「お、いいんじゃね!」って思った車のご紹介です。

つづきます。

2012/12/14

営業











 






 #3 Zirconia Coping by Noritake KATANA

最近なにやら電話やメール、訪問等。営業がすごいですね。
ポーセレンを盛ってる最中、マイクロスコープ覗いてチマチマとやってる時とか。
こう忙しくしている時に、わざわざ出た電話がまったく興味のない営業とか。
ごめん、忙しい。って言ってんのに食いついてきて。

まー必死なんでしょうが。

音声アナウンスだけがダラダラと流れてるのもありますね。
速攻切ってもいいんですが、またかかって来るとこれまたイラッとするんで、
面倒ですがひたすら聞きます。切りたくなる思いを堪えしばらくすると、
営業リストから外して欲しかったら “3” を押せと。勝手にリストしたくせに。

連打してやりますけどね。失礼なんだよ、この野郎!


















 
 #3 Porcelain Fused  to Zirconia Crown

歯科材料屋からはもちろん多いです。アポ無しの飛び込みとかも。
忙しい時など対応するのが面倒なのでスタッフに任せるんですが、
それでも長々と話しているのを見ているだけで、イラッとしますね。

そんな中、最近 CAD/CAM の営業がやたらと多い気がします。
売れてないんでしょうか。値段もだいぶ落ち着いてきたし悪くはないんですが。
メーカー認定で顧客の紹介有りとか。今のところ興味ないんですけど. . . 。

一巡したってことでしょうか。それとも年末に向けての数字稼ぎなんでしょうか。

欲しい時は必死に調べてでも手に入れます、高いお金を払うわけだし。
アメリカに無ければ輸入もします。努力を惜しんではダメでしょう。
営業されたからってホイホイ買うんでしょうか、他所の経営者は。

売りたいんだから悪い事は言わないんでしょ、どうせ。

彼らからの情報は、目新しい製品に耳を傾けるくらいかな。
そもそも素晴らしい商品で、売れに売れてりゃ . . .

そんなイラッとされるような営業を、必死でやる必要もないんでしょう。ねぇ。

2012/12/08

冬休み

















今日は土曜日ですが、ふらふらと出社です。
溜まっている事務仕事を片付けに。そうそうクリスマスカードも出さないと。

さて、うちの冬休みをどうしたものかと2、3日前から考えてまして。
そもそも、冬休みなんてものは例年無かったわけですが . . . 。

冬休みってのには、憧れてましてね。 何とかならんかのぉ〜、っと。

この時期は何かと忙しくしているので、毎年ほぼ暦どおり。
取引先の歯科医院はクリスマス辺りからそのまま冬休みに入るので、
電話も鳴らないですし、仕事も集中しやすいですし、
溜まった仕事を片付けるにはちょうどいいんですよね。

今年は29、30日と土日なんで、
31日の月曜日も休みにすれば4連休ですね。お、いいね!
さらに2日から仕事ってのも余韻がないんで。3日から!?え〜い、持ってけドロボ〜!

ということで、 今のところ3日スタートで考えています。5連休になりますね。
もちろん年内の仕事をきっちり片付けての連休なんですがね。
仕事納めの28日は午後から大掃除をして。恒例の忘年会です。ワーイ!

さーてと、クリスマスカードにサインをしないと . . . 。

2012/12/05

おかえり

日本に帰っていたスタッフが戻ってきて、ようやくホッと。
手付かずの模型や、Zirkograph でのミリング作業を早速お願いした。

一ヶ月ぶりの技工は少々勘が鈍ってるかな!?

さてと、2012年も残すところあとわずか。
メンツも揃ったことだし、このまま一気に加速していきたい。

年明けになるか、年内になるか。
オフィスワークの求人を出す予定にしている。
恐らく、今後のうちの展開に大きく関わる人事。

いい人財と出会えることを願い。

そして、仲間がまた一人増えることに期待している。

2012/12/03

当たり!?


















歯科技工人生で初めての出来事です。

いつも愛用している焼付用メタルなんですが。
1オンスの袋の中から出てきた、なにやら色の違うプレート1枚。

当たりが出たらもう1オンス!?
いや、どう考えても違う金属の混入です。

すぐに金属屋にはクレームを入れました。
明らかに色が違うから気付けたようなもんで、
同じ色だったらそのまま使っていたでしょうね。
何用の金属か調べてないんでわからないんですが、

思わぬトラブルに頭を抱えていたかもしれません。

正直、そこら辺は疑うどころか信用しきってましたね。
これからはプレートを一枚づつ確認しないといけないのかなぁ。

驚かされた出来事でした。

2012/11/27

一気に


















#14 Porcelain Fused to Metal Crown

11月に入ってからというもの、なんだか忙しくて。
あっという間の4週間ぶりですね、お久しぶりです。

スタッフの一人が日本に一時帰国しているのもあるんでしょうが、
バタバタと。そしてイライラと。まったくコントロールできてません。(恥

例年、年末に向けて仕事は忙しくなるのですが、さて今年は。
すでにその大波が来ているのか? それとも序章に過ぎないのか?
少し気が早いですが、このまま一気に残りの2012年を駆け抜けられればと、
心の中で願っています。

何事もなく . . . 。

2012/10/30

導かれ


















Zirconia Frame by Noritake KATANA

Zirkograph でのコーピング、本番がスタートしています。

ちなみに上の写真は違います。以前はノリタケの刀で外注に。
理想的なアナトミカルコーピングデザインを再現していただいてました。

今回、Zirkograph 導入に至った一番のきっかけは、
その理想のコーピングが手に入らなくなってしまった事ですね。
以前から、大変お世話になっている方に外注をお願いしていたのですが、
本当に残念なのですが、訳あって外注を引き受けてもらえなくなりまして. . . 。
いろいろと他所も試すんですが比べてしまいますね、どうしても。
デザインする人によって、こうも違うものかと。

結局、自分たちで理想のコーピングを手掛けるしかないとの結論に達し、
CAD/CAM 導入を検討したりもしたんですが、

行き着いたのは MAD/MAM でしたね。

今回のことで外注先をいろいろ試すことになったわけですが。
その度に目に見えない部分での質の変化はやむを得なかったですし、
安定供給という意味では、信用に関わる大きな問題にもなってしまいます。
早急な対応を迫られる中、安い買い物ではないですしね。

いろいろ考えもしました。

が、今思えばですよ、あくまで結果論なのですが。
当時いろんな事が重なり合い、そうなるようになっていた。
と、言わざるを得ない気がします。まるで何かに導かれるように。おおげさ

そういう時期だったのかもしれませんね。

2012/10/28

ほろ酔い


















ちょっと前になりますが、平日にも関わらずスタッフと食事に行きまして。
六本木、青山にも支店のあるお洒落なイタリアンレストラン。ここが本店らしい

仕事を5時きっかりに終え、まだ明るいうちからシャンパンで乾杯。

2時過ぎにどうにも我慢できずに遅めの昼食を取ってしまい、
お腹もさほど空いてないはずなのに . . .
シーフードサラダにピザやパスタ。お口直しの白ワイン。
気が付けば、デザートまでがっつりと食べてましたね。美味しい物は別腹です。

ご馳走さま!

美味しい食事に舌鼓を打ちながら、なんだかたわいもない話。
たまに、スタッフの口から出る技工の話やうちの会社のこれから。
ほろ酔い気分をいい事に話半分で聞き流しながら、
こういう時間をずーっと前から思い描いていたような気がして。

嬉しかったですね。そして楽しかったです。

食後はうちのスタッフが運転するフィアット500の助手席に座り、
夜のサンタモニカエアポートに。関係者以外立ち入り禁止のゲートの中へ。


















滑走路脇をぷらぷらと。夜風が気持ちいい。

夜の空港は、自分の知る日常とは別世界でしたね。
シーンと静まり返った滑走路に、海からの風が音もなく流れる。
目の前に降りてきたセスナのエンジン音に、心なしホッとさえしてしまう。

こういう場所を日常的に利用し、プライベートジェットで遠くの目的地へ。
はたまた、週末に気晴らしがてら自家用セスナで雲一つない真っ青な空に。

空から見下ろされる俺なんか、ちっちぇーんだろうなぁって。

なんと言っていいのか . . .
その非日常はことあるごとに日々の雑踏の中もみくちゃにされてる自分に、
なかなかのパンチを容赦なく浴びせてきましたね。負けねーよ!
おかげで酔い醒めまでの時間を、あまり必要としなかったです。


















美味しいイタリアンもさることながら、
気持ちのいい夜風を堪能できた素敵な一日でした。
思いがけないドライブ。誘ってくれたスタッフに感謝ですね。

いい思い出になりました。

2012/10/25

でびゅー

















最近いろんな思いが込み上げてきて、なかなかまとまらんです。
そんなお歳頃なのでしょうか、一人バタバタと。成長してねーなぁ。

さて、以前記事にもしましたが iPhone 5 手に入れましたよ。
さすがに現物見ないまま、予約ってのもどうかと思いましてね。
店頭で実際に見て、触れてから。なーんて思って気軽にアップルストアに。
が、見てしまったらもう欲しくて欲しくて。

つや消しブラックも、ゴージャスホワイトも。どっちもいいじゃんか。
散々悩んだあげく。えーい、男なら黒!と店員さんに。

はい、どっちも品切れ。

おかげ様でゆっくり考える時間はできたんで、
ググって見ると黒の方がやっぱ人気らしい。確かに渋くて、かっこいいんだ。

という事で白ですね。捻くれてますから。マジックマウスとお揃い

当然バンパーやカバーは使いませんよ。裸族としては。
クリエイターが作り出したそのものの美しさに魅了されていますからね。大げさか

という事で、あの携帯ともおさらばです。長いことお疲れさま!ぺこり
今更なんですが、ようやくスマートフォンデビューを果たしたわけです。
が、使い方がさっぱりわからず、寝る間を惜しんで夜な夜な弄ってみたりして。
ぬるぬると画面がスクロールするスピードに目が付いて行けなかったり。
触れたつもりもないのに画面が切り替わったり。入力なんかはしんど過ぎますね。

しばらくすると慣れてくるものなんでしょうか。
かれこれ2週間以上になりますかね、使ってみての感想はというと、

なんかいちいちめんどくせー。

2012/10/17

花束を


















先日、日本に一時帰国した時、
先延ばしになっていた母親の還暦祝いを行いまして。
親孝行というには、いまだ世話になりっぱなしの立場でおこがましいんですが。

口では言い表せないほど、母親とはいろいろありましたからね。

どんな時も真剣にぶつかってきてくれ、真剣に怒ってくれたこと。
どんな時も一人じゃないという事を教えてくれたのは母でしたね。
こんな俺のために何度も何度も頭を下げ、時にじっと堪えて見守ってくれた。
自分だけは味方だといつも体を張って伝えてくれてたな。

なかなか照れくさくて言えませんが、本当に感謝しています。ありがと。

中三の頃だったかな。夜、路肩に車を止め車内で二人。
俺はうつむき、抑えきれない涙を必死に堪えてた。
顔は見れなかったが細く震える声。母もまた泣いていたのだろう。

その後の長い沈黙が今でも忘れられない。

「そんな事あったっけ、不思議といい思い出しか残ってないものね!」と。
大人になった息子に、多少老け小さくも見える母が相変わらずの笑顔で言う。
迷惑をかけたこと、心配をかけたこと、泣かせたこと、恥をかかせたこと。

俺はちゃんと覚えています。

そんな母が新しい服を買うのは、決まって学校行事の時。
運動会、授業参観と発表会の時ぐらいだっただろうか。おそらく年に数回。
それも上だけだったり、下だけだったり。それでもすごく嬉しそうで。

いつでも自分より我が子。そういう人。

自分が親になり、子供との接し方で悩む事はあまりない。
親の愛ってこういう物だと、良い見本がいつも心の中にあるからかもしれない。
父親とは違い、普段そばにいて嫌でも接する事の多かった母。
気が付けば、自分の中にある芯の部分は母親からの影響だと実感する事は多い。

切り花はなんだか可哀想だと、あまり贈ったことがない。
母親に贈る花束は記憶にある限り、人生で初めて。

還暦を迎えた母へ、せめてもの気持ちです。

そばに居て何かしてやれるわけでもない。
いつ本当の親孝行らしいことをしてやれるかわからない。
こんなんだから、なかなか安心させてやれない。だから . . .

長生きしてみろこのヤロウ!

またいつの日か贈るであろうバカ息子からの花束を、
心のどこかで期待しながら待っていて欲しい。そして、

いつまでも変わらぬ笑顔で受け取ってくれたら嬉しい。それが今の願い。

明日はそんな母の61歳の誕生日。心からおめでとうを。

2012/10/15

85点


















Zirconia Frame by Zirkonzhan

先日の夕方、ケースの発送で UPS Store に。
何気なく見上げた空には綺麗な虹が。不安定な空模様が与えてくれた賜物。
あんなに近くて大きな虹を見たのは生まれて初めてかも知れない。
写真に撮りたかったけど、右ポケットの携帯では撮れるはずもなく。
悶々と見上げたまま、しばらくするとゆっくりと消えてしまいましたね。

iPhone があれば撮れたかなぁ。もうそろそろ来る予定!?

さて、無事シンタリングを終え、機械のセットアップに問題がない事を確認。
ジルコニアフレームの出来ですが、甘く見積もって85点。
ってところでしょうか。とにかく良くできたシステムだと感心させられました。
フィットさせるまで正直半信半疑でしたからね。

問題点もいくつか見つけましたよ。

とにかく丁寧にミリング作業を行うべきですね。
フルクラウンの方は内面のミリングが不十分で、調整を余儀なくされました。
心当たりもあるので次回は同じような問題はないと思いますが、
シンタリング後の内面調整はできるだけ避けたいですからね、より丁寧に。
もちろん調整後は適合しましたし、許容範囲内なんですけど。

コーピングの方はモックアップの頬側マージンをカラーレスで仕上げたんですが、
欠けさせてしまっていたようで、見事に欠けた状態で再現されていました。
実は、レジンモックアップでは薄くシャープに出ないと決めつけていたので、
今回は試しに e.max でモックアップを作り挑んだんですけど . . . 。
可及的に薄くなるマージン部は、よほど慎重に作業しないとダメですね。
肉眼では良く見ないと気付かない程度だったので、
マイクロスコープを覗いて、なんじゃこりゃ〜!(松田優作風に)てな感じです。

あと、トランスルーセントとは言っても言うほど透明感がないですね。
e.max の LT ぐらいの透明感は出るだろうと勝手に期待していたのですが。
やっぱジルコニアでした。フルクラウンは一度も手がけた事がなかったので、
いい感じで透明感が出たら、押していこうかと目論んでいたのですが . . . 。

とまあ、いろいろと他にも問題点はありますがね、対策はできてます。
かなり満足していますし、あんな事やこんな事も . . . と妄想してみたり。
シンタリング後のコーピング。部分的にですが薄いところで 0.3 〜 0.4ミリ。
臨床ではやや不安を感じる数字ではありますが、見事に再現されてました。
穴をあけずに攻めれた事で、手応えを感じましたね。

ということで、“Zirkoguraph” のファーストインプレッションでした。
今週からは早速臨床ケースで応用していきたいと思います。 楽しみー

2012/10/10

いじってみた


















Milled Zirconia Frame by Zirkograph

という事で、早速 Zirkograph 弄ってみたんだが . . . 面白いやないかい!

とりあえず今回は、フルクラウンとコーピングを削り出してみた。
初めは妙に緊張したんだが、思い切りの良さも必要だな。

ビビり過ぎてると一向に削れん!

という事で大胆にやってみたらマージン部を大きく欠けさせてしまった。
今回は練習、もちろん臨床ケースではないから許されるんだが。
ブロックは安くはないし、片付けている時にバーをぶつけて一本折ってしまった。
はい、$50也。まー、初めてなんでこんなもんかと . . . 。

とりあえず削ってみた感じは大満足。で、ただ今シンタリング中。

トランスルーセントのブロックを使ってみたんだが、どんな透明感になるんか。
適合等も含めシンタリング後に、乞うご期待。

モックアップさえある程度丁寧に仕上げておけば、誰にでも出来そう。よしよし

2012/10/09

おぶじぇ2

















Zirkonzahn Zirkograph 025

前回 “おぶじぇ1”ってことで、なにげに “2” の予告をしてましたが。

実は、こんな物を買いまして。
“ Zirkograph 025 ” オールドモデルででかいですが、十分使えます。
シンタリングファーネスとバキュームユニット、ワークベンチ等々。
オールセット。びっくりする程ドデカい荷物が届いたのが3ヶ月ほど前です。
が、忙しくて全然弄れないんですよね。購入してからというもの、

こちらもオブジェと化しております。

セットアップしてからまだ一度も試せてないんですが、
自分の理想とするジルコニアレストレーションの実現をこいつに賭けてます。
とはいえ、物が物だけに輸送コストだけで予想を大幅に上回る$1600。
セットアップ時にヒートランプを割ってしまったり。
切れてたLEDライトの交換で四苦八苦してみたり。
5軸へのアップグレードで$2500の見積もりも今は見て見ない振り。

まー、そんなのも愛嬌みたいなもんなんですがね。笑えない

デジタル化とは真逆のアナログ化。
自分にはこの方が向いている気がしますね。

重い腰を上げ、ジルコニアブロックをいくつかオーダーしてみました。
今月中にはなんとか稼働させるつもりでいます。ちょうどいいケースもありますし
そのために今日は半日、来週辺りにまた半日使ってスタッフと弄ってみます。

理想とするジルコニアレストレーションを目指して。楽しみー

2012/10/08

おぶじぇ1

















うちの会社のオブジェになりつつあるこやつ。

実は以前置いてあった物も結局1年近く、放置されていた。
厳密に言えば、放っておいたわけでもなく、
売ろうと努力をしていたが売れず、置きっぱなしで月日だけが経ってしまった。 
が、正解。初めの頃はラボを訪れる人が一様に興味を示した。
ラボには似つかわしくない代物、なんでこんな所にタイヤ4本が?って。

そんな一年以上放置されてたタイヤがようやく売れたのが数ヶ月前、
メキシカンの親子が引き取りに来てくれた。
異様な存在感を放っていたタイヤ4本が無くなると、ラボはスッキリとした。
本来あるべき姿に戻っただけなのだが、妙に清々しい。
新しくキャビネットを設置し、上から照明で照らす。
電子レンジを移動しネスプレッソでも置こうかと考えていたのも束の間。

今はこやつが . . . 。


















以前の物よりも、大きく、太い。ちょっと卑猥な表現だな
20インチの275/40 MADE IN ITALY は、
以前置いてあった16インチに比べて、更なる存在感を放っている。
スタッフの居ぬ間に一人、持病のぎっくり腰をかばいながら積み上げた4本。
次の日、スタッフが出社してくるも誰も気づく気配がない。

そう、もはやそこにあって当たり前の代物で、ラボに同化していたのだ。

忙しくて個人売買にリストする事もままならず、
すでに3ヶ月以上が過ぎようとしていた。
先週末ようやくリストを済ませ、新しいオーナーを探している。
早く売れてくれるといいんだが。誰か買って!

ちなみに19インチもある。こっちは自宅でオブジェ化。ちょっとゴム臭い!(爆

2012/09/30

広告2


















#14  IPS e.max Press Crown

前回の続きになりますね。ちょっと熱く

歯科のように狭く専門的な業種は、
自由競争によって一部の企業による市場支配を誘発するかもしれませんね。
お金のある企業、政治的なつながりのある企業は強いですからね。
ただ、大げさな話。多くの患者がそれを望んでいるとしたなら。

“安くても良いものが提供できている” ということが前提ですけど。 

言うまでもありませんが、それでいいんじゃないでしょうか。
歯科技工士が生活するための、この歯科技工士職ではないですよね。
好きな服を買って、車に乗って、家を買って、子供を大学へ行かすためだ。
と言い切るのなら、原発再稼働を目論むそこらのクソ政治家の批判など、
ましては、このアホみたいな歯科技工士法の文句など言えないですよね。

一緒だよ。

患者がいて、歯科技工物を求める歯科医師がいるからやっていける仕事。
たとえば、ある日突然凄い薬が開発され虫歯になる人が突然いなくなったら . . .
「なぜ、そんなものを開発した!」「我々の生活をどうしてくれる!」と、
涙ながらに自分たちの不幸を訴えるのか。そして、嘆くのか。

. . . 飽きれてしまう。その人がやって来た事は仕事ではなく “私事” でしょうね。

医療に携わり、患者のために頑張ってきました。医療人として。
そして、虫歯が無くなり患者がいなくなった時、本来喜ぶべき医療従事者。
生活ができなくなる. . . これからどうすればいいのか . . .

馬鹿げている。

文字通り、仕事とは人に仕える事。
歯科技工士は歯科医師に仕え、ひいては患者に仕える。

歯科技工士法によって守られている人がいて。
歯科技工士法によって苦しんでいる人がいて。

歯科技工士法によって . . . 、そこに甘えはないですか?

誰もが自由に歯科技工ができる自由競争、大企業による市場支配も、
日本以外の国では当たり前ですね。歯科技工士法がないのですから。

生き残れる自信、ありますか?

2012/09/28

広告1

#29 IPS e.max Press Crown

日本の歯科技工士法では歯科技工所の広告は規制されています。のはず
“ 文書その他いかなる方法であっても . . . . . “      ウィキ参照

ホームページやブログ、ツイッターやSNSなどはその “いかなる方法” に、
抵触するのでしょうか? その線引きは?

まー、どうでもいいんですが。アメリカですし

そもそも誰の為の歯科技工士法なんでしょうかね。
歯科技工士のため?患者のため?歯科医師のため?
患者にとってはこんな歯科技工士がいて . . . あんな歯科技工士がいて. . .

選択肢はたくさんあった方がいいと思うんですが。

この仕事についていなければ、近所の歯科医院に通ってただろうな。
小さい頃お世話になった地元の小さな歯科医院。親もそこに行ってたし。
歯が痛めば、とりあえずは保険治療をお願いして、
たいした説明がなくても、恐らく何も疑いもしない。
2、3年でまた痛くなったら、自分のケアが悪かったのかなと。
10年もてば十分で、再度虫歯になっていようがそんなもんだろうと、

妙に納得してるのかな。多くの患者はそうなんだろうなぁ。

知らないだけ、それも別にいいんじゃないだろうか。
たぶん過去の自分ならそれで良かった。
歯科技工士となった今、そうはいきませんね。

他所の業種もそうでしょうか、内情を知るからこそ . . .  みたいな。

知りたい人は調べればいい。欲しい情報を必要な限り。
調べたい時にある程度知ることが出来る情報が必要なんだと。
虚偽の広告、誇大広告などは問題外ですが、
ホームページにしてもブログにしても、それらは数ある情報の一つ。
選ぶ権利は患者にあると思うんですよ、自己責任のもと。

罪なのは何も知らせないこと。

広告の規制はそういったことまで奪いかねないのではないだろうか。
自由に広告することで、困る人は誰なのか。どういった人達なのか。

自由競争の他所の業種と比べ、ずいぶんと生温い。
  
つづく

2012/09/24

日々の仕事

















 
#2 - 15 Porcelain Fused to Metal Bridge  - Metal Frame -

小さなケースばかりのギャラリーになってしまったので、たまにはこんなのも。
大きなケースって、それだけで説得力がありますよね。

こういったケースを丁寧に仕上げていくのは、大変な事です。
時間の許す限りついつい手を加えてしまうので、
ギリギリになって写真を撮る事も出来ず納品、てなことが良くあります。
途中までは撮っていたりするのに . . . 。

このケースも例外なくそうですね。

若い歯科技工士と話していて、
臼歯の単冠だから流す . . . なんて耳にする事があります。
数をこなさなければいけない環境では、分からなくもないんですが。
日々の仕事の中で、流してもいい仕事ってないと思うんです。
作業行程の中で流せるところはあっても、
仕事の大きい小さい、あるいは面白い面白くないで、

流す、言い方を変えると“手を抜く”のは、少し違う気がするんです。

仮に技術が伴わなくても、一生懸命に仕上げたものならアリかと。
その評価を本人が甘んじて受ければいいし、誰にでも始めはあるのだから。
出来るのに手を抜いたり、やれる事をやらないのとは大きく違う。

姿勢の問題です、その仕事に取り組む姿勢。

人間ですからね、その質を変えないのは難しいです。
精神的なものに左右される事もありますし、十分な時間がない場合もあります。
技術的に未熟故の質の変化はやむ終えないでしょう。

あなたならどうか?という事です。

あなたが依頼した車の修理、家のリフォーム、歯の治療。何でもいいんですが、
しょぼい仕事だと手を抜かれたら?どうせ分からないだろうと手を抜かれたら?

単冠だろうがなんだろうが、今の精一杯をここには出しています。
奇跡の一枚や神がかったサンプルではなく、日々の仕事を。
あの頃の自分は未熟だったと、笑えるように . . . 。

2012/09/21

きれいな日本

















 Minami Izu, JAPAN

今月の頭に一週間ほど日本に帰国してまして。
ほぼ二年ぶりの日本を満喫してきました。いやー暑かった!

前回は横浜での学会に参加でしたから、仕事みたいなもんで。
今回は終日フリー。開業して以来、初めてかも知れません。こんな夏休みは。
実家にはパソコンもないですし、携帯も例のごとく使い物にならんので、

気持ち的にも解放された、何とも自由な1週間でしたね。

そんななんで連絡手段も限られていましたから、
日本に帰ったらご挨拶にお伺いしようと思っていた方々には、
大変失礼をしてしまいました。この場をかりてお詫び申し上げます。すいません!

仕事の方は時差もありますから、こちらから一方的に連絡して状況を把握。
特に問題もなく、連絡する必要すらなかったかも知れません。
それもこれも留守中、頑張ってくれていたスタッフのおかげですね。

感謝です。おかげ様でいい夏休みになりました。ありがとう!


Haneda, JAPAN

二年前の前回、“日本は美味しい” なんて記事にしてましたけど、
相変わらず何食っても美味しいですね、日本は。脅威のコスパ、幸楽苑のラーメン!
そして、今回特に感じたのは、日本はどこに行ってもキレイ。清潔ですね。

中でも、トイレには感動すらしました。

とあるトイレの話。以下長文なので、ぶっ飛ばしていただいても結構! 

路面にはうっすらと陽炎が、外気は恐らく30℃をゆうに超えていただろう。
エアコンの効いた売店を通り抜け目的の場所を探す。タイムリミットは近い。
どこをどう通り抜けてきたのか、辺りを見渡し矢印だけを頼りに小走りに急ぐ。
冷房が効いているとはいえ、汗は額をつたい、シャツの下は不快指数100%。
ようやく見つけた、自分だけの空間を。極限状態の中、急ぎ足で角を曲がる。

モダンなレイアウトはそこがトイレであるとはにわかに信じがたい。
ずらりと並んだ小用便器に脇目もふれず、奥へ。ただ一時の安堵を求め。
高級感漂うダークウッドの壁が天井まで届き、間接照明が辺りを照らす。
一見どこに求めている個室があるのか、立ちはだかる壁の前で、
開けぇ〜 ゴマ!と唱えたかどうか。視界に入り口を見つけ、そっと押した。

その先には、これまた落ち着いたアイボリーの便器が上品に鎮座していた。
決して広すぎず狭すぎないその空間は、心地良いさわやかな香りに包まれていた。
吸い込まれるように一歩足を踏み入れ、おもむろに鍵を閉める。
そして振り返ると、いつの間にか彼は大きく口を開け待っていてくれた。
いかにも座り心地の良さそうな便座が、さあどうぞ!と迎えてくれていたのだ。

おー、なんというおもてなしの心。

便座にカバーを敷き、ベルトに手をかけホッと吐息を漏らす。
すかさず、ほてった体を癒すかのように何とも心地のいいひんやりとした感覚が、
太もも辺りからジ〜ンと伝わってきた。き、気持ちいい〜。
その瞬間、シュォーっと。かすかだが確かに空気の流れを感じた。シュオォォー
日本に到着するや否や、連日食い倒れるかのごとく食べ続け、シュオォォー
腹に溜まりに溜まった我が分身から放たれる芳醇な香りを、シュオォォー
全て吸い取ってやろうとばかりに、今か今かと待ち構えていたのである。

おー、なんと甲斐甲斐しいのだろう。

どれほど座っていただろうか。いや、ただ座っていたわけではない。
実際には戦っていたのだ。互いに一歩も譲らない攻防、時間だけが過ぎて行く。
そして、雄叫びを上げた。うおぉおおお〜!勝ったのだ . . . 。
相変わらずどこからともなく、主張しすぎないさわやかな香りが包み込む。
ここが荒れた戦場だったとは微塵も感じさせないほどに。シュオォォーーーー

おー、なんと控えめなんだろう。

ずーっとここに座っていたい!アメリカには帰りたくない!
とさえ思わせてしまうその空間とも、ついにお別れの時が来た。
そう、独り占めするわけにはいかないのだ。彼もそんなことは望まないだろう。
一時の安堵を求め、彼を必要としている戦士達は他にも沢山いるのだ。

ふと気が付けば側面の壁にアルミ削り出しの何とも品のあるスイッチが、
横一列に規則正しく並んでいるのに気が付いた。
それぞれ小さなマークが刻み込まれ、恐らくをウォシュレットなのだろうが、
見慣れないマークもちらほら。眉間にしわを寄せ考えるも . . . やっぱり “?”
不覚にもスイッチを押してしまい。四方の壁だけが全て倒れてしまったら。
はたまた便器ごと空高く舞い上がってしまったら。いや、自爆スイッチか . . .

そんなコントのような展開が一瞬頭をよぎった。
いかんいかん、まったくしゃれにならん。
こんな豪華なトイレは、きっとドッキリのためのセット。
CCDカメラがどこかに設置されているやもしれん。 キョロキョロ。ある分けないか

結局、恐らくウォシュレットであろうそのスイッチを押すことが出来ないまま、
その前方のトイレットペーパーに手を伸ばせば、ウィーンと自動で紙が出てきた。
何とも上質な肌触りの紙、その端は手に取り易いようにか三角形をしていた。

おー、なんと言う気遣いだろう。

別れの時。後ろ髪引かれる思いを断ち切り、
死闘を繰り返した我が分身に一言、別れを告げようと立ち上がり振り返る。
しかし、そこにはもう何の痕跡も残ってはいなかった。
無情にも思えるが、一戦交えた相手に情けは必要ない。そう言われているようで。
それが彼なりの優しさなのだろうか。未練を残すぐらいならいっそ刹那に。

おー、なんと言う潔さだろう。

そして、扉を開け振り返り、至福の時を与えてくれた彼に軽く頭を下げると、
彼もまた頭を下げるかのように、その口を閉じた。
そして訪れるであろう新たな戦士を待っているんだ、きっと。

おー、なんと健気なんだろう。

急いでたので気が付かなかったが、よくよく見渡すと何とも豪華である。
税金の無駄遣いだと言えばそうなのだが、アメリカではまずお目にかかれない。
とある高速道路のサービスエリアのトイレだという事にただただ驚きながら、
その場を後にした。またいつか . . . 。

そんな日本が大好きだ。そして、そんな日本を誇りにも思う。

バカ話にお付き合い頂き、ありがとうございました!


2012/08/28

チョット


















お気に入りだったのに . . . 。

あまり筆とかにこだわりはないんです、消耗品だと割り切って。
普段使いの筆は安物のナイロンだったりします。

ただ、チョットしたところに “遊び心” というか。

そういうのが好きなんですね。
主張し過ぎてない感じが、なんともいい。
なきゃ無くてもいいのに、チョットしたところがお洒落だなぁと。

他にもあります。愛飲しているレッドブル。
わざわざ切り抜いちゃうところがクールだなぁ、と。

一度気付いてしまうと、そのチョットした存在が気になって気になって。

















遊び心なんかじゃなくて、実は緻密に計算されているのかも知れませんね。
戦略だとしたら、まんまと踊らされているわけですが。

誰の発想なのか、誰のデザインなのか。

仕事、楽しんでるんだろうな。って、勝手に想像してしまいます。
そんなクリエイターの作り出したものだから、魅了されてるのかな?って。

歯科技工士もまた、作り出す人ですから、
そんなチョットした遊び心、いろんな形で表現してもいいんじゃないかな。

だって、その方が楽しいでしょ!

2012/08/24

肌身離さず

















最近やたらと噂ばかり、なにかと騒がれておりますね。
一体いつになったら iPhone 5 出るんでしょうか。
昨年 . . . いや、一昨年からかな。ずっと待ってますよ、ずっと . . . 。
前回、散々期待させといて発表されたのが iPhone 4Sでしたからね。

期待はずれで見送ることに。で、かれこれずーっと。

開業した頃、やっぱりボロい携帯を使ってましてね。
買ったばかりのお気に入りの携帯を、最強ジェットコースターで吹っ飛ばし。
泣く泣く買った、当時最安値の携帯。NOKIA だったかな
画面がカラーじゃないんです。でかいんです。重いんです。

人前に出すのが恥ずかしいんです。

開業したばかりでお金なかったですし、それでもしばらく使ってましたね。
さすがにそんな携帯使ってる人、周りにはもういなかったですから、
パカパカする携帯をなんだか羨ましく思っていたわけです。

一応社長。人前で出すのが恥ずかしい携帯では、格好がつかないじゃん!

てなことで、携帯屋さんに行ったのを覚えてますね。
その頃はまだスマートフォンなんてなかったですから。あったのかな?
おぉ、かっこいいじゃんかぁ!と、一人納得して買ったのがこいつ。

それからというもの肌身離さず持ち歩いていましたね。
どこへ行くのも一緒、起きてる時間はほぼ一緒ですから、愛着もあります。
おしゃれなストラップすら付けてないですし、何度も落っことしたりもしました。
コーヒーの洗礼を受けても、傷だらけになっても、 机の角に強打しても。

出歩く時、右のポケットにはいつもこいつが。

しかし、とうとう液晶は完全に表示されなくなりました。
音も鳴ったり鳴らなかったり。だから、誰からかかってきたのかも分かりません。
とりあえずアメリカ人だろうがなんだろうが日本語で、

もしもし . . .

基本的にかける時は、いちいち番号を押してかけますよ。ピ ポ パ . . .
もちろん液晶画面には何も表示されませんから、間違っていたら大変です。
“通話” を押すのにちょっと勇気がいります。繋がった瞬間はさらにドキドキです。

も、もしもし . . .   ハ、ハロー . . . (笑

そんなドキドキも毎回刺激的で楽しいんですがね。
いよいよ出るだろう iPhone 5 になんだか期待してしまうわけで。
別に iPhone 5 じゃなくてもいいんですけどね、
もう勝手に引くに引けなくなってますよ、ここまで待ってんですから。

がっ、そもそもスマートフォン必要か?って自分に問いかけてみたりして。

通話ができて、電話番号がメモリーできれば十分なんだけどな。
かれこれこんな状態で一年以上使ってるわけだし、
なんだか不便には不便なんだけど、家に忘れてソワソワする事もないし。

どこか気が楽です。

繋がらなかった時は、ご縁がなかったという事ですよね。
ただ、“えっ、スマートフォンじゃないの?” って視線が怖いんだ、きっと

2012/08/20

つくづく

こう忙しいとイライラしてしまうことの多い自分に、
成長しねぇーなー、とつくづく思うわけで。

反省 . . . 。

頭では分かっているのに、社内の雰囲気を一人悪くしてしまう。
経営者である自分自身の成長なくして、この先へは進めない。

こんな俺でもなんとかやってこれたのは、
傍にいるスタッフ達の “心ある大人な対応” があるからだと。
甘えやエゴも許されてしまう立場で、そこにだいぶ救われてる。

怒る事と叱る事は違うのだから。

2012/08/18

ガッツリ

たくさん寝ました。今年一番の眠りでしたね。

昨夜、晩飯を簡単に済ませ TV を見ていたらそのままソファーで気絶。
なんだかお腹が空いて目を覚ますと、もうお昼でした。
昼飯をガッツリ食べ終わって、窓越しの風が気持ちいいなぁとソファーに。
気が付けば8時頃まで。今度は寝汗がひどくて目が覚めました。

先々週あたりから、ほとんど寝れない日もありましたからね、
体が欲していたんでしょうか。今はだいぶ元気ですね。ちょっと自己嫌悪

この時期にしてはケースが多いってのもあるんですが、
どこでどう崩れたのか。仕事が思いどおり片付かないんです。
そんな時に限って訳の分からん修正が立て続けに入ったり、
急ぎのケースが入ったり、くだらん問い合わせがあったりと。

暇な時なら気を揉んでいますから、
余裕もありますし謙虚にもなれるんですが。そうじゃないとダメ!
のど元過ぎればというか、

忙しいと人って横柄にもなりますよね。んっ!?

たくさん寝ましたし、思考も正常に戻ったということで。
明日日曜日ですが、仕事に行こうと思ってます。

溜まっている仕事、ガッツリ片付けさせて頂きます。まだまだだな

2012/08/01

日本へ


















#3, 4, 5  Gold Custom Abutments for Cement-Retain Restoration (Top Img.)
                                                                   with PFM Metal Flame (Bottom Img.)
Straumann RC Gold Abutment
 
こっちでの生活もだいぶ長くなりました。
いつかは日本に帰るつもりだ!と言うと、大抵の人は驚きますね。

25の時にアメリカに来ましたから、
日本での25年間を超える前、遅くても50までには帰ろうと思っています。
自分のベースにもなっている日本での25年を超えてしまうと、

もう帰れない気がして。

今年で渡米して12年になるのですが、
長く見積もったとしたらそろそろ折り返しですね。



















もともとアメリカに来た理由の一つに、他にも理由はありますが
インプラントについてもっと学び、経験を積みたいという思いがありました。
結果的にインプラントラボとして開業し、来月にはおかげ様で7年目を迎えます。
アメリカだからビジネス出来たんだと思われるのは本意ではないですね。
だから、日本で自分の理想の歯科技工所を経営することが、

いつしか自分の目指すところになっていました。

とはいえ、今まで手がけてきたケースの予後のデーターも取り続けたいですし、
「もうアメリカ生活十分です、帰ります。」なんて無責任なことは言えません。
少なくとも、あと3年。開業してからちょうど10年になります。
良いも悪いも自分の思うままにやってきたことの結果が、見え始めるはずです。

経験に裏打ちされた一つの答えを、見つけていかなければなりません。

そして、こんな自分にチャンスを与えてくれたアメリカで出会った人たち。
ドクターを始め患者さんもですね。そしてお世話になったすべての人たちに、

まだまだ恩返しすらできてないですからね。

そう考えると時間なんていくらあっても足りないんですが . . . 。
日本へは一体いつになるのだろう。50を過ぎているかもしれませんね。(笑)
思い描く理想のための “武者修行” は、まだまだ続きそうです。

そして、いつかは日本へ。