Minami Izu, JAPAN
今月の頭に一週間ほど日本に帰国してまして。
ほぼ二年ぶりの日本を満喫してきました。
いやー暑かった!
前回は横浜での学会に参加でしたから、仕事みたいなもんで。
今回は終日フリー。開業して以来、初めてかも知れません。
こんな夏休みは。
実家にはパソコンもないですし、携帯も
例のごとく使い物にならんので、
気持ち的にも解放された、何とも自由な1週間でしたね。
そんななんで連絡手段も限られていましたから、
日本に帰ったらご挨拶にお伺いしようと思っていた方々には、
大変失礼をしてしまいました。この場をかりてお詫び申し上げます。
すいません!
仕事の方は時差もありますから、こちらから一方的に連絡して状況を把握。
特に問題もなく、連絡する必要すらなかったかも知れません。
それもこれも留守中、頑張ってくれていたスタッフのおかげですね。
感謝です。おかげ様でいい夏休みになりました。
ありがとう!
Haneda, JAPAN
二年前の前回、“日本は美味しい” なんて記事にしてましたけど、
相変わらず何食っても美味しいですね、日本は。
脅威のコスパ、幸楽苑のラーメン!
そして、今回特に感じたのは、日本はどこに行ってもキレイ。清潔ですね。
中でも、トイレには感動すらしました。
とあるトイレの話。
以下長文なので、ぶっ飛ばしていただいても結構!
路面にはうっすらと陽炎が、外気は恐らく30℃をゆうに超えていただろう。
エアコンの効いた売店を通り抜け目的の場所を探す。タイムリミットは近い。
どこをどう通り抜けてきたのか、辺りを見渡し矢印だけを頼りに小走りに急ぐ。
冷房が効いているとはいえ、汗は額をつたい、シャツの下は不快指数100%。
ようやく見つけた、自分だけの空間を。極限状態の中、急ぎ足で角を曲がる。
モダンなレイアウトはそこがトイレであるとはにわかに信じがたい。
ずらりと並んだ小用便器に脇目もふれず、奥へ。ただ一時の安堵を求め。
高級感漂うダークウッドの壁が天井まで届き、間接照明が辺りを照らす。
一見どこに求めている個室があるのか、立ちはだかる壁の前で、
開けぇ〜 ゴマ!と唱えたかどうか。視界に入り口を見つけ、そっと押した。
その先には、これまた落ち着いたアイボリーの便器が上品に鎮座していた。
決して広すぎず狭すぎないその空間は、心地良いさわやかな香りに包まれていた。
吸い込まれるように一歩足を踏み入れ、おもむろに鍵を閉める。
そして振り返ると、いつの間にか彼は大きく口を開け待っていてくれた。
いかにも座り心地の良さそうな便座が、さあどうぞ!と迎えてくれていたのだ。
おー、なんというおもてなしの心。
便座にカバーを敷き、ベルトに手をかけホッと吐息を漏らす。
すかさず、ほてった体を癒すかのように何とも心地のいいひんやりとした感覚が、
太もも辺りからジ〜ンと伝わってきた。き、気持ちいい
ぃ〜。
その瞬間、シュォーっと。かすかだが確かに空気の流れを感じた。シュオォォー
日本に到着するや否や、連日食い倒れるかのごとく食べ続け、シュオォォー
腹に溜まりに溜まった我が分身から放たれる芳醇な香りを、シュオォォー
全て吸い取ってやろうとばかりに、今か今かと待ち構えていたのである。
おー、なんと甲斐甲斐しいのだろう。
どれほど座っていただろうか。いや、ただ座っていたわけではない。
実際には戦っていたのだ。互いに一歩も譲らない攻防、時間だけが過ぎて行く。
そして、雄叫びを上げた。うおぉおおお〜!勝ったのだ . . . 。
相変わらずどこからともなく、主張しすぎないさわやかな香りが包み込む。
ここが荒れた戦場だったとは微塵も感じさせないほどに。シュオォォーーーー
おー、なんと控えめなんだろう。
ずーっとここに座っていたい!アメリカには帰りたくない!
とさえ思わせてしまうその空間とも、ついにお別れの時が来た。
そう、独り占めするわけにはいかないのだ。彼もそんなことは望まないだろう。
一時の安堵を求め、彼を必要としている戦士達は他にも沢山いるのだ。
ふと気が付けば側面の壁にアルミ削り出しの何とも品のあるスイッチが、
横一列に規則正しく並んでいるのに気が付いた。
それぞれ小さなマークが刻み込まれ、恐らくをウォシュレットなのだろうが、
見慣れないマークもちらほら。眉間にしわを寄せ考えるも . . . やっぱり “?”
不覚にもスイッチを押してしまい。四方の壁だけが全て倒れてしまったら。
はたまた便器ごと空高く舞い上がってしまったら。いや、自爆スイッチか . . .
そんなコントのような展開が一瞬頭をよぎった。
いかんいかん、まったくしゃれにならん。
こんな豪華なトイレは、きっとドッキリのためのセット。
CCDカメラがどこかに設置されているやもしれん。
キョロキョロ。ある分けないか
結局、恐らくウォシュレットであろうそのスイッチを押すことが出来ないまま、
その前方のトイレットペーパーに手を伸ばせば、ウィーンと自動で紙が出てきた。
何とも上質な肌触りの紙、その端は手に取り易いようにか三角形をしていた。
おー、なんと言う気遣いだろう。
別れの時。後ろ髪引かれる思いを断ち切り、
死闘を繰り返した我が分身に一言、別れを告げようと立ち上がり振り返る。
しかし、そこにはもう何の痕跡も残ってはいなかった。
無情にも思えるが、一戦交えた相手に情けは必要ない。そう言われているようで。
それが彼なりの優しさなのだろうか。未練を残すぐらいならいっそ刹那に。
おー、なんと言う潔さだろう。
そして、扉を開け振り返り、至福の時を与えてくれた彼に軽く頭を下げると、
彼もまた頭を下げるかのように、その口を閉じた。
そして訪れるであろう新たな戦士を待っているんだ、きっと。
おー、なんと健気なんだろう。
急いでたので気が付かなかったが、よくよく見渡すと何とも豪華である。
税金の無駄遣いだと言えばそうなのだが、アメリカではまずお目にかかれない。
とある高速道路のサービスエリアのトイレだという事にただただ驚きながら、
その場を後にした。またいつか . . . 。
そんな日本が大好きだ。そして、そんな日本を誇りにも思う。
バカ話にお付き合い頂き、ありがとうございました!