BDA GALLERY 2 : 2012/01

2012/01/28

いくら?


















#3 Porcelain Fused to Metal Crown

美容院に行きます。カラーリングをしたり、パーマをかけたり。
お気に入りのヘラースタイルに、あなたはいくら払いますか?

食事に行きます。 特別な日にいつもより少しおしゃれをして。
夜景が一望できるレストランで、あなたはいくら払いますか?

旅行に行きます。たまにはのんびりと温泉でも。
日常を忘れ、癒しと思い出の瞬間に、あなたはいくら払いますか?

買い物に行きます。日頃の自分へのご褒美です。
美味しいスイーツ、憧れのデジタル機器、何でもいいです。

あなたはいくら払いますか?

どうでしょう。
人それぞれ価値観やそのものに対する比重が違いますよね。
たとえば今欲しいと思っている、iPad2。5万円ぐらいですかね。
2、3年もすれば十分使ったほうで、
5年もすれば使っているのが恥ずかしくなっているかもしれません。
そもそも、その前に壊れて使えなくなってしまうかもしれませんよね。

では、またここで質問です。

歯医者に行きます。日頃のお手入れを怠ったせいで虫歯です。
根管治療をしてクラウンが必要に、あなたはいくら払いますか?

一般の人の多くは治療費はともかく、
歯科技工物そのものの値段を言える人は少ないでしょう。
ちなみに、保険のクラウンなんて2、3千円ぐらいですかね。
自費のクラウンならピンキリですよね。

価値感は人それぞれなのですが、

たとえば自費のクラウン一本分の歯科技工物に対して、
3万円。高いですか?安いですか?
手間隙かけて歯科技工士が作り出すカスタムメイドの歯科技工物は、

一つとして同じものがない、あなたの為の一品です。

治療費に含まれる事の多い歯科技工料金、
作る歯科技工士が違えば、質も見た目も値段も違う。
最終的に口の中に入るそのクラウンは一生を共にするかもしれない。
もう少しこだわってもいいんじゃないでしょうか。

一人の歯科技工士の想いとして。

2012/01/25

振り返って


















#8-11 IPS e.max Press Bridge

2011年を振り返り、最も気になるケースの一つですね。

ドクターからの指示通り、やらせていただきました。
最善を尽くし形にしたわけですが、正直心配です。
もともとはジルコニアブリッジ。
他所で作られたのですが色も形も患者が気に入らないとのことで、
e.max で対応することになりました。患者はとても喜んでくれたようです。

このようなケースのフォローアップは継続的に行うようにしています。
まずは半年。その後も経過は確認していきます。

守りに徹するのなら、

「ジルコニアの方が安全ですよ」とか、

「e.maxでは禁忌症ですね」って、言うんでしょうか。
 
基本的にはいちいちおせっかいは焼きません。 互いにプロですからね。
口の中の状況を一番把握しているのは他ならぬドクターですし、
そのドクターが「 e.max で . . . 」と言うのなら、
その材料の特性を把握し、壊れないよう最善を尽くすべきは、

他ならぬ歯科技工士。

開業すれば全責任は自分です、挑戦ですね。そこが面白いんだと
良いも悪いも全ては経験の中で培われていくもの、
生身の人間を相手にしているわけだし、
こうでなきゃいけないという線引きは、

細い一本線ではないはず。ましてや、答えなどない。

誰々さんのレクチャーで . . . どこどこのコースで . . .
聞いた話をうだうだと、なんだか頭でっかちの歯科技工士も多くないですか?
まだまだ “かたち” にすらなっていない歯科技工士にとって、
やるべきは守りに徹する事ではなく、挑戦することなんじゃないかと。

やったらいい。許されるうちは。

分かったような口を効き、挑戦する意味すら分からないのなら、
それは単なるうぬぼれかと . . . 。

まだまだ挑戦は続きそうです。

2012/01/23

歯科技工士


















#19 IPS e.max Press Crown

歯科技工士という仕事。あまり一般的ではないですよね。
言葉は悪いですが、くそ狭い業界だと思っています。自分で言うのはいい
だから、知らない人も多い。

「歯科技師さんですよね。」なんてのはまだましな方で。

「歯医者さんなんだ!」とか . . .  飽きれてしまうんですが . . .

説明したところでピンと来ないだろうし、
合コンなんかでは「まー、似たようなもんかな!」てね。歯医者さん、ごめんなさい!
聞いてきたくせに反応が鈍くて、説明するのもめんどくさかったり . . . 。

歯科技工士の仕事に“誇り”なんて持ち合わせていなかった若かりし頃、
当時は流行っていたキムタク主演のカリスマ美容師物語、
ビューティフルライフ” なんかはまさに憧れ。常磐貴子かわいい!

同じ技術職、カリスマ技工士物語をキムタク主演で、今時なら松潤!?向井理!?

「えぇ〜歯科技工士さんなんですか?おしゃれ〜。」みたいな。

妄想を膨らましてみるも展開がね . . . 地味過ぎてね . . .
ドラマチックにならないという結論に達してしまうわけで . . . 。

そもそも華やかさがないですからね。

アホな話はさておき、一般にもっと認知されればいいと思っています。
だから、こうしてブログやるのもいいことだと思ってますし、
一人でも多くの人に、歯科技工士ってこんなことしてますよ!的な事が、
発信できたらいいなと思ってますけど . . . 。なにか?

ここを訪れる方は歯科技工士が多いと思いますが、
ブログやってみようかなぁ。と、ちょっとでも思っている方がいましたら、
新しい年を迎え、新たなスタートにはいいんではないでしょうか。
 . . . と、しばらく辞めてた人間が言うのもなんですが

その時は是非、「始めてみましたよぉ〜」と、一報いただければ幸いです。

2012/01/20

歯痛


















 #3 Porcelain Fused to Metal Crown

半年以上前ですね、何か食べている時に痛みとともに、
上顎第一大臼歯の近心半分がポロッと。

中に大きな空洞が出来る程の虫歯だったようです。

痛かったです、それなりに。もちろん血も出ました。
でも次の日には治まっていましたから、歯医者さんに行くこともなく放置。

が、先週ものすごい痛みに襲われまして。悶絶。

とにかくこの痛みをなんとかしなければ!ってことで、
痛みを堪えつつググってみましたよ、“ 歯痛の応急処置 ”。
いろいろ出てきましてね、正露丸を詰めるだの、今治水を塗るだの。
日本ならともかく、LAでは手に入り難い代物たち . . . 却下。

歯痛に効くつぼというのもあるらしく、
アザになるほど押してもみました、尖った棒でツンツンしてみたり。
一瞬楽になるような気がするも、痛いものは痛い . . . 次。

氷や冷水などで冷やすというのも試してみました。
冷やしている間は楽なのですが、そのあと。
冷やされた患部に血流を感じるのと同時に一気に激痛がピークに . . .

気を失うかと思いましたよ。

この痛みを伴っての24時間は長いこと長いこと。
あまりの痛みで眠れない夜もありました。痛み止めも気休め程度。
3日間で幾度となく、目に涙を浮かべてしまいました。男泣きです。

もともと薬も医者も大嫌いのところがありますから、
出来るだけ自然治癒力に頼って生きてきたんです。
痛みには強い方だと自負しておりましたが、今回はムリ!

ということで歯医者に行ってきました。痛み出してから1週間後。
ピークも過ぎ、痛みもだいぶ治まりつつありましたが . . . 。
神経は壊死していましたね。とりあえず根管治療してクラウンになる予定。
ブリッジになることも覚悟していたので、不幸中の幸いというか。

歯でこんなに痛い思いをしたのは生まれて初めてですね。
歯の大切さを文字通り痛感した3日間でした。

痛みは生命維持の為の防衛反応だといいます。
口の中のずらっと並んだ一本の歯が、菌に侵されてあの激痛ですからね。
どんだけ生命維持の防衛反応しているんだ!ということです。
痛み止めや治療がなければ耐え凌げる痛みではないということが、

身をもって分かりました。

それだけ生命維持には必要不可欠ってことなんでしょう。歯って凄げー。

2012/01/19

タフ


















#13-15 Porcelain Fused to Metal Bridge  - Metal Frame -

新年早々、出鼻くじかれた感がある今日この頃。
あまりネガティブなことは言いたくないですが、先週はなんだか . . .

堪えました。

経営者に求められる一つの要素 “ タフ tough ”  まだまだです。

2012/01/06

空気

















Santa Barbara, CALIFORNIA


“ 謹賀新年 ” 本年もよろしくお願い致します。


と言うことで、2012年は3日からスタート。
新年早々、バタバタとしております。

昨日はサンタバーバラへ、年始のご挨拶を兼ねて行ってきました。
朝から気温も上がり最高のドライブ日和。
ロサンゼルスからは車で2時間かからないぐらいですね。
4年も前から知り合いのドクターなのに、 お会いするのは初めて。
想像してた雰囲気とはだいぶ違いましたね、とても紳士的な方でした。

















仕事柄、こうして多くの歯科医院に出入りするわけですが、
オーナーである歯科医師の考えというか、こだわりというか。
本人が望む望まざるに関わらず、

ドアを開けた瞬間にこちらに伝わってくるものですね。

清潔感に溢れ、スタッフがみな笑顔で、
自然と人が集まりそうな感じのいいオフィスもあれば。
その真逆。あえて文章にはしませんが、
お世辞にも素敵とは言いがたいオフィスもあります。

雰囲気って大事ですよね。

似たような経験、歯科技工士の方は多いのではないでしょうか。
うちも歯科技工所とはいえ人の出入りがありますからね、
気を付けていきたいところです。
当の本人には分からないものなのかもしれませんが、

意識したいです、その空気。