BDA GALLERY 2 : 2012/10

2012/10/30

導かれ


















Zirconia Frame by Noritake KATANA

Zirkograph でのコーピング、本番がスタートしています。

ちなみに上の写真は違います。以前はノリタケの刀で外注に。
理想的なアナトミカルコーピングデザインを再現していただいてました。

今回、Zirkograph 導入に至った一番のきっかけは、
その理想のコーピングが手に入らなくなってしまった事ですね。
以前から、大変お世話になっている方に外注をお願いしていたのですが、
本当に残念なのですが、訳あって外注を引き受けてもらえなくなりまして. . . 。
いろいろと他所も試すんですが比べてしまいますね、どうしても。
デザインする人によって、こうも違うものかと。

結局、自分たちで理想のコーピングを手掛けるしかないとの結論に達し、
CAD/CAM 導入を検討したりもしたんですが、

行き着いたのは MAD/MAM でしたね。

今回のことで外注先をいろいろ試すことになったわけですが。
その度に目に見えない部分での質の変化はやむを得なかったですし、
安定供給という意味では、信用に関わる大きな問題にもなってしまいます。
早急な対応を迫られる中、安い買い物ではないですしね。

いろいろ考えもしました。

が、今思えばですよ、あくまで結果論なのですが。
当時いろんな事が重なり合い、そうなるようになっていた。
と、言わざるを得ない気がします。まるで何かに導かれるように。おおげさ

そういう時期だったのかもしれませんね。

2012/10/28

ほろ酔い


















ちょっと前になりますが、平日にも関わらずスタッフと食事に行きまして。
六本木、青山にも支店のあるお洒落なイタリアンレストラン。ここが本店らしい

仕事を5時きっかりに終え、まだ明るいうちからシャンパンで乾杯。

2時過ぎにどうにも我慢できずに遅めの昼食を取ってしまい、
お腹もさほど空いてないはずなのに . . .
シーフードサラダにピザやパスタ。お口直しの白ワイン。
気が付けば、デザートまでがっつりと食べてましたね。美味しい物は別腹です。

ご馳走さま!

美味しい食事に舌鼓を打ちながら、なんだかたわいもない話。
たまに、スタッフの口から出る技工の話やうちの会社のこれから。
ほろ酔い気分をいい事に話半分で聞き流しながら、
こういう時間をずーっと前から思い描いていたような気がして。

嬉しかったですね。そして楽しかったです。

食後はうちのスタッフが運転するフィアット500の助手席に座り、
夜のサンタモニカエアポートに。関係者以外立ち入り禁止のゲートの中へ。


















滑走路脇をぷらぷらと。夜風が気持ちいい。

夜の空港は、自分の知る日常とは別世界でしたね。
シーンと静まり返った滑走路に、海からの風が音もなく流れる。
目の前に降りてきたセスナのエンジン音に、心なしホッとさえしてしまう。

こういう場所を日常的に利用し、プライベートジェットで遠くの目的地へ。
はたまた、週末に気晴らしがてら自家用セスナで雲一つない真っ青な空に。

空から見下ろされる俺なんか、ちっちぇーんだろうなぁって。

なんと言っていいのか . . .
その非日常はことあるごとに日々の雑踏の中もみくちゃにされてる自分に、
なかなかのパンチを容赦なく浴びせてきましたね。負けねーよ!
おかげで酔い醒めまでの時間を、あまり必要としなかったです。


















美味しいイタリアンもさることながら、
気持ちのいい夜風を堪能できた素敵な一日でした。
思いがけないドライブ。誘ってくれたスタッフに感謝ですね。

いい思い出になりました。

2012/10/25

でびゅー

















最近いろんな思いが込み上げてきて、なかなかまとまらんです。
そんなお歳頃なのでしょうか、一人バタバタと。成長してねーなぁ。

さて、以前記事にもしましたが iPhone 5 手に入れましたよ。
さすがに現物見ないまま、予約ってのもどうかと思いましてね。
店頭で実際に見て、触れてから。なーんて思って気軽にアップルストアに。
が、見てしまったらもう欲しくて欲しくて。

つや消しブラックも、ゴージャスホワイトも。どっちもいいじゃんか。
散々悩んだあげく。えーい、男なら黒!と店員さんに。

はい、どっちも品切れ。

おかげ様でゆっくり考える時間はできたんで、
ググって見ると黒の方がやっぱ人気らしい。確かに渋くて、かっこいいんだ。

という事で白ですね。捻くれてますから。マジックマウスとお揃い

当然バンパーやカバーは使いませんよ。裸族としては。
クリエイターが作り出したそのものの美しさに魅了されていますからね。大げさか

という事で、あの携帯ともおさらばです。長いことお疲れさま!ぺこり
今更なんですが、ようやくスマートフォンデビューを果たしたわけです。
が、使い方がさっぱりわからず、寝る間を惜しんで夜な夜な弄ってみたりして。
ぬるぬると画面がスクロールするスピードに目が付いて行けなかったり。
触れたつもりもないのに画面が切り替わったり。入力なんかはしんど過ぎますね。

しばらくすると慣れてくるものなんでしょうか。
かれこれ2週間以上になりますかね、使ってみての感想はというと、

なんかいちいちめんどくせー。

2012/10/17

花束を


















先日、日本に一時帰国した時、
先延ばしになっていた母親の還暦祝いを行いまして。
親孝行というには、いまだ世話になりっぱなしの立場でおこがましいんですが。

口では言い表せないほど、母親とはいろいろありましたからね。

どんな時も真剣にぶつかってきてくれ、真剣に怒ってくれたこと。
どんな時も一人じゃないという事を教えてくれたのは母でしたね。
こんな俺のために何度も何度も頭を下げ、時にじっと堪えて見守ってくれた。
自分だけは味方だといつも体を張って伝えてくれてたな。

なかなか照れくさくて言えませんが、本当に感謝しています。ありがと。

中三の頃だったかな。夜、路肩に車を止め車内で二人。
俺はうつむき、抑えきれない涙を必死に堪えてた。
顔は見れなかったが細く震える声。母もまた泣いていたのだろう。

その後の長い沈黙が今でも忘れられない。

「そんな事あったっけ、不思議といい思い出しか残ってないものね!」と。
大人になった息子に、多少老け小さくも見える母が相変わらずの笑顔で言う。
迷惑をかけたこと、心配をかけたこと、泣かせたこと、恥をかかせたこと。

俺はちゃんと覚えています。

そんな母が新しい服を買うのは、決まって学校行事の時。
運動会、授業参観と発表会の時ぐらいだっただろうか。おそらく年に数回。
それも上だけだったり、下だけだったり。それでもすごく嬉しそうで。

いつでも自分より我が子。そういう人。

自分が親になり、子供との接し方で悩む事はあまりない。
親の愛ってこういう物だと、良い見本がいつも心の中にあるからかもしれない。
父親とは違い、普段そばにいて嫌でも接する事の多かった母。
気が付けば、自分の中にある芯の部分は母親からの影響だと実感する事は多い。

切り花はなんだか可哀想だと、あまり贈ったことがない。
母親に贈る花束は記憶にある限り、人生で初めて。

還暦を迎えた母へ、せめてもの気持ちです。

そばに居て何かしてやれるわけでもない。
いつ本当の親孝行らしいことをしてやれるかわからない。
こんなんだから、なかなか安心させてやれない。だから . . .

長生きしてみろこのヤロウ!

またいつの日か贈るであろうバカ息子からの花束を、
心のどこかで期待しながら待っていて欲しい。そして、

いつまでも変わらぬ笑顔で受け取ってくれたら嬉しい。それが今の願い。

明日はそんな母の61歳の誕生日。心からおめでとうを。

2012/10/15

85点


















Zirconia Frame by Zirkonzhan

先日の夕方、ケースの発送で UPS Store に。
何気なく見上げた空には綺麗な虹が。不安定な空模様が与えてくれた賜物。
あんなに近くて大きな虹を見たのは生まれて初めてかも知れない。
写真に撮りたかったけど、右ポケットの携帯では撮れるはずもなく。
悶々と見上げたまま、しばらくするとゆっくりと消えてしまいましたね。

iPhone があれば撮れたかなぁ。もうそろそろ来る予定!?

さて、無事シンタリングを終え、機械のセットアップに問題がない事を確認。
ジルコニアフレームの出来ですが、甘く見積もって85点。
ってところでしょうか。とにかく良くできたシステムだと感心させられました。
フィットさせるまで正直半信半疑でしたからね。

問題点もいくつか見つけましたよ。

とにかく丁寧にミリング作業を行うべきですね。
フルクラウンの方は内面のミリングが不十分で、調整を余儀なくされました。
心当たりもあるので次回は同じような問題はないと思いますが、
シンタリング後の内面調整はできるだけ避けたいですからね、より丁寧に。
もちろん調整後は適合しましたし、許容範囲内なんですけど。

コーピングの方はモックアップの頬側マージンをカラーレスで仕上げたんですが、
欠けさせてしまっていたようで、見事に欠けた状態で再現されていました。
実は、レジンモックアップでは薄くシャープに出ないと決めつけていたので、
今回は試しに e.max でモックアップを作り挑んだんですけど . . . 。
可及的に薄くなるマージン部は、よほど慎重に作業しないとダメですね。
肉眼では良く見ないと気付かない程度だったので、
マイクロスコープを覗いて、なんじゃこりゃ〜!(松田優作風に)てな感じです。

あと、トランスルーセントとは言っても言うほど透明感がないですね。
e.max の LT ぐらいの透明感は出るだろうと勝手に期待していたのですが。
やっぱジルコニアでした。フルクラウンは一度も手がけた事がなかったので、
いい感じで透明感が出たら、押していこうかと目論んでいたのですが . . . 。

とまあ、いろいろと他にも問題点はありますがね、対策はできてます。
かなり満足していますし、あんな事やこんな事も . . . と妄想してみたり。
シンタリング後のコーピング。部分的にですが薄いところで 0.3 〜 0.4ミリ。
臨床ではやや不安を感じる数字ではありますが、見事に再現されてました。
穴をあけずに攻めれた事で、手応えを感じましたね。

ということで、“Zirkoguraph” のファーストインプレッションでした。
今週からは早速臨床ケースで応用していきたいと思います。 楽しみー

2012/10/10

いじってみた


















Milled Zirconia Frame by Zirkograph

という事で、早速 Zirkograph 弄ってみたんだが . . . 面白いやないかい!

とりあえず今回は、フルクラウンとコーピングを削り出してみた。
初めは妙に緊張したんだが、思い切りの良さも必要だな。

ビビり過ぎてると一向に削れん!

という事で大胆にやってみたらマージン部を大きく欠けさせてしまった。
今回は練習、もちろん臨床ケースではないから許されるんだが。
ブロックは安くはないし、片付けている時にバーをぶつけて一本折ってしまった。
はい、$50也。まー、初めてなんでこんなもんかと . . . 。

とりあえず削ってみた感じは大満足。で、ただ今シンタリング中。

トランスルーセントのブロックを使ってみたんだが、どんな透明感になるんか。
適合等も含めシンタリング後に、乞うご期待。

モックアップさえある程度丁寧に仕上げておけば、誰にでも出来そう。よしよし

2012/10/09

おぶじぇ2

















Zirkonzahn Zirkograph 025

前回 “おぶじぇ1”ってことで、なにげに “2” の予告をしてましたが。

実は、こんな物を買いまして。
“ Zirkograph 025 ” オールドモデルででかいですが、十分使えます。
シンタリングファーネスとバキュームユニット、ワークベンチ等々。
オールセット。びっくりする程ドデカい荷物が届いたのが3ヶ月ほど前です。
が、忙しくて全然弄れないんですよね。購入してからというもの、

こちらもオブジェと化しております。

セットアップしてからまだ一度も試せてないんですが、
自分の理想とするジルコニアレストレーションの実現をこいつに賭けてます。
とはいえ、物が物だけに輸送コストだけで予想を大幅に上回る$1600。
セットアップ時にヒートランプを割ってしまったり。
切れてたLEDライトの交換で四苦八苦してみたり。
5軸へのアップグレードで$2500の見積もりも今は見て見ない振り。

まー、そんなのも愛嬌みたいなもんなんですがね。笑えない

デジタル化とは真逆のアナログ化。
自分にはこの方が向いている気がしますね。

重い腰を上げ、ジルコニアブロックをいくつかオーダーしてみました。
今月中にはなんとか稼働させるつもりでいます。ちょうどいいケースもありますし
そのために今日は半日、来週辺りにまた半日使ってスタッフと弄ってみます。

理想とするジルコニアレストレーションを目指して。楽しみー

2012/10/08

おぶじぇ1

















うちの会社のオブジェになりつつあるこやつ。

実は以前置いてあった物も結局1年近く、放置されていた。
厳密に言えば、放っておいたわけでもなく、
売ろうと努力をしていたが売れず、置きっぱなしで月日だけが経ってしまった。 
が、正解。初めの頃はラボを訪れる人が一様に興味を示した。
ラボには似つかわしくない代物、なんでこんな所にタイヤ4本が?って。

そんな一年以上放置されてたタイヤがようやく売れたのが数ヶ月前、
メキシカンの親子が引き取りに来てくれた。
異様な存在感を放っていたタイヤ4本が無くなると、ラボはスッキリとした。
本来あるべき姿に戻っただけなのだが、妙に清々しい。
新しくキャビネットを設置し、上から照明で照らす。
電子レンジを移動しネスプレッソでも置こうかと考えていたのも束の間。

今はこやつが . . . 。


















以前の物よりも、大きく、太い。ちょっと卑猥な表現だな
20インチの275/40 MADE IN ITALY は、
以前置いてあった16インチに比べて、更なる存在感を放っている。
スタッフの居ぬ間に一人、持病のぎっくり腰をかばいながら積み上げた4本。
次の日、スタッフが出社してくるも誰も気づく気配がない。

そう、もはやそこにあって当たり前の代物で、ラボに同化していたのだ。

忙しくて個人売買にリストする事もままならず、
すでに3ヶ月以上が過ぎようとしていた。
先週末ようやくリストを済ませ、新しいオーナーを探している。
早く売れてくれるといいんだが。誰か買って!

ちなみに19インチもある。こっちは自宅でオブジェ化。ちょっとゴム臭い!(爆