雲ひとつない青空が広がる西海岸。
初めてロサンゼルス空港に降り立った日も、眩しい日差しが出迎えてくれた。
キラキラとした日差しと真っ青な空、カラッとした空気が心地良い。
目の前に広がる片道5車線にも及ぶフリーウェイ。
路肩のスプリンクラーは緑に潤いを与え、いくつもの水しぶきは虹を作っていた。
この1年間、頑張るぞ!って心の中で叫んだ。
ワクワクする気持ちが込み上げてきて押さえられなかった。
どこを見渡しても始めてみる景色。
今思えばそのドキドキした感じがとても新鮮で、
不安と期待が入り混じった感じは今でも忘れない。
若さゆえなのか . . . 最近の若い人もそんな気持ちを抱いて来るのかな。
十年以上も前になるが、UCLAに留学した頃。
同世代の日本人歯科技工士が周りにはたくさんいた。
ひたすら面白い兄貴みたいな存在や、失礼でやんちゃな若いのも。
彼らから教わる事も非常に多かった。歯科技工のことも遊び方も。
同じ時期にアメリカで彼らと出会えた事は、かけがえのない出会いとなった。
おそらく、長い人生の中で本気でやるべき時はそう何度もない。
彼らはアメリカで人生のちょうどそういう時期を向かえ、
皆、必死だったのではないだろうか。
毎日一生懸命に働いていた。寝ないで働いていた。
難しいケースや大きなケースも自分から進んでやっていた。
忙しい合間に撮られた症例写真は、素晴らしいものばかりだった。
出入りさせてもらう中で、彼らの症例を実際に手に取る機会もあった。
当時の自分にはマネ出来ない。愕然としたのを覚えている。
限りある時間の中で楽しむことも忘れてはいなかった。
BBQにビーチバレー、ゴルフにサーフィンと。
毎週末、行きつけの店で遅くまで飲み、語り。日頃の憂さを晴らし明日への糧に。
学生だった私も誘い出してくれ、よくご馳走してもらった。
勤めているラボも出身地も違う、同世代の彼らがロサンゼルスで出会い。
同じ時間を共有し、お互いに刺激し合い、励まし合い、切磋琢磨しながら、
それぞれの目標に向かって全力だった。
学生だった私には輝いて見えた。アメリカで稼ぎ、生活をしている彼らが。
そんな彼らを目の当たりにし、焦りを感じ感化されていた自分がいた。
時間が経ち、彼らはまた別々の道を歩み出す。アメリカに残る者も帰国する者も。
疎遠にはなってしまったが、 懐かしんでいると耳にするのが彼らの成功。
もうすぐ独立記念日。皆とBBQをしたあの日の記憶がよみがえる。
気の合う仲間達と一升瓶をラッパ飲みし、バカ騒ぎして疲れ果て芝生の上。
見上げたあの時の空も、雲一つない青空だったなぁ。
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