ブロック

いろんなところから電話が来ます。

ほとんどが営業目的だったりするんで、

取り次がないようにして貰っています。

しつこい営業は電話の秀逸機能、ブロックリストに。

もう二度とその声を聞く事はありません。

昨日も電話がありまして、アポイントを取りたいと。

どっかで聞いたような聞かないような . . . 社名だったので、

とりあえず取り次がないようにと伝えました。

今日になってまた同じところから電話がありまして、

いよいよブロックリストに . . . 、と。

なにやらスタッフの話している内容に聞き耳を立てていたんですが、

はっ！ビルディングのオーナー。

この界隈のあちこちに大きなオフィスビルを持つ、

うちのビルディングのオーナーは同じアジア人。

日本にもいた事があるこの方、日本語ぺらぺらでして。

おそらく富豪と呼ばれる方々の一人だと思いますね。

そんな相手ともつゆ知らず、

手元にはこの界隈の地価相場と景気の動向を調べあげた書類。

若さ故、オーナーと直接話がしたい！と呼びつけたあの日。

品のある女性エージェントを引き連れ、

うちの小さなオフィスにわざわざ来て下さったのが５年前。

数百、いや数千だろうか。彼が持つビルディングのテナントのうちの、

小さなスペースの小さな歯科技工所に足を運んで下さったその姿勢、

物腰の柔らかさというか、器のでかさというか、

話し始めて数秒で察しましたね。

思いの外あっけなく値下げ交渉は成功したものの、

男として何とも言えない敗北感を味わわされたあの日。

おこがましいですが、自分の中の理想像として胸にあるわけです。

どうやらまた５年ぶりの契約更新の日が近づいてきたようで。

うちもいよいよ１０年目か . . . と、感慨深いです。

それにしても、うっかりブロックしなくて良かった。