2012/09/30
広告2
#14 IPS e.max Press Crown
前回の続きになりますね。ちょっと熱く
歯科のように狭く専門的な業種は、
自由競争によって一部の企業による市場支配を誘発するかもしれませんね。
お金のある企業、政治的なつながりのある企業は強いですからね。
ただ、大げさな話。多くの患者がそれを望んでいるとしたなら。
“安くても良いものが提供できている” ということが前提ですけど。
言うまでもありませんが、それでいいんじゃないでしょうか。
歯科技工士が生活するための、この歯科技工士職ではないですよね。
好きな服を買って、車に乗って、家を買って、子供を大学へ行かすためだ。
と言い切るのなら、原発再稼働を目論むそこらのクソ政治家の批判など、
ましては、このアホみたいな歯科技工士法の文句など言えないですよね。
一緒だよ。
患者がいて、歯科技工物を求める歯科医師がいるからやっていける仕事。
たとえば、ある日突然凄い薬が開発され虫歯になる人が突然いなくなったら . . .
「なぜ、そんなものを開発した!」「我々の生活をどうしてくれる!」と、
涙ながらに自分たちの不幸を訴えるのか。そして、嘆くのか。
. . . 飽きれてしまう。その人がやって来た事は仕事ではなく “私事” でしょうね。
医療に携わり、患者のために頑張ってきました。医療人として。
そして、虫歯が無くなり患者がいなくなった時、本来喜ぶべき医療従事者。
生活ができなくなる. . . これからどうすればいいのか . . .
馬鹿げている。
文字通り、仕事とは人に仕える事。
歯科技工士は歯科医師に仕え、ひいては患者に仕える。
歯科技工士法によって守られている人がいて。
歯科技工士法によって苦しんでいる人がいて。
歯科技工士法によって . . . 、そこに甘えはないですか?
誰もが自由に歯科技工ができる自由競争、大企業による市場支配も、
日本以外の国では当たり前ですね。歯科技工士法がないのですから。
生き残れる自信、ありますか?
2012/09/28
広告1
日本の歯科技工士法では歯科技工所の広告は規制されています。のはず
“ 文書その他いかなる方法であっても . . . . . “ ウィキ参照
ホームページやブログ、ツイッターやSNSなどはその “いかなる方法” に、
抵触するのでしょうか? その線引きは?
まー、どうでもいいんですが。アメリカですし
そもそも誰の為の歯科技工士法なんでしょうかね。
歯科技工士のため?患者のため?歯科医師のため?
患者にとってはこんな歯科技工士がいて . . . あんな歯科技工士がいて. . .
選択肢はたくさんあった方がいいと思うんですが。
この仕事についていなければ、近所の歯科医院に通ってただろうな。
小さい頃お世話になった地元の小さな歯科医院。親もそこに行ってたし。
歯が痛めば、とりあえずは保険治療をお願いして、
たいした説明がなくても、恐らく何も疑いもしない。
2、3年でまた痛くなったら、自分のケアが悪かったのかなと。
10年もてば十分で、再度虫歯になっていようがそんなもんだろうと、
妙に納得してるのかな。多くの患者はそうなんだろうなぁ。
知らないだけ、それも別にいいんじゃないだろうか。
たぶん過去の自分ならそれで良かった。
歯科技工士となった今、そうはいきませんね。
他所の業種もそうでしょうか、内情を知るからこそ . . . みたいな。
知りたい人は調べればいい。欲しい情報を必要な限り。
調べたい時にある程度知ることが出来る情報が必要なんだと。
虚偽の広告、誇大広告などは問題外ですが、
ホームページにしてもブログにしても、それらは数ある情報の一つ。
選ぶ権利は患者にあると思うんですよ、自己責任のもと。
罪なのは何も知らせないこと。
広告の規制はそういったことまで奪いかねないのではないだろうか。
自由に広告することで、困る人は誰なのか。どういった人達なのか。
自由競争の他所の業種と比べ、ずいぶんと生温い。
つづく
2012/09/24
日々の仕事
#2 - 15 Porcelain Fused to Metal Bridge - Metal Frame -
小さなケースばかりのギャラリーになってしまったので、たまにはこんなのも。
大きなケースって、それだけで説得力がありますよね。
こういったケースを丁寧に仕上げていくのは、大変な事です。
時間の許す限りついつい手を加えてしまうので、
ギリギリになって写真を撮る事も出来ず納品、てなことが良くあります。
途中までは撮っていたりするのに . . . 。
このケースも例外なくそうですね。
若い歯科技工士と話していて、
臼歯の単冠だから流す . . . なんて耳にする事があります。
数をこなさなければいけない環境では、分からなくもないんですが。
日々の仕事の中で、流してもいい仕事ってないと思うんです。
作業行程の中で流せるところはあっても、
仕事の大きい小さい、あるいは面白い面白くないで、
流す、言い方を変えると“手を抜く”のは、少し違う気がするんです。
仮に技術が伴わなくても、一生懸命に仕上げたものならアリかと。
その評価を本人が甘んじて受ければいいし、誰にでも始めはあるのだから。
出来るのに手を抜いたり、やれる事をやらないのとは大きく違う。
姿勢の問題です、その仕事に取り組む姿勢。
人間ですからね、その質を変えないのは難しいです。
精神的なものに左右される事もありますし、十分な時間がない場合もあります。
技術的に未熟故の質の変化はやむ終えないでしょう。
あなたならどうか?という事です。
あなたが依頼した車の修理、家のリフォーム、歯の治療。何でもいいんですが、
しょぼい仕事だと手を抜かれたら?どうせ分からないだろうと手を抜かれたら?
単冠だろうがなんだろうが、今の精一杯をここには出しています。
奇跡の一枚や神がかったサンプルではなく、日々の仕事を。
あの頃の自分は未熟だったと、笑えるように . . . 。
2012/09/21
きれいな日本
Minami Izu, JAPAN
今月の頭に一週間ほど日本に帰国してまして。
ほぼ二年ぶりの日本を満喫してきました。いやー暑かった!
前回は横浜での学会に参加でしたから、仕事みたいなもんで。
今回は終日フリー。開業して以来、初めてかも知れません。こんな夏休みは。
実家にはパソコンもないですし、携帯も例のごとく使い物にならんので、
気持ち的にも解放された、何とも自由な1週間でしたね。
そんななんで連絡手段も限られていましたから、
日本に帰ったらご挨拶にお伺いしようと思っていた方々には、
大変失礼をしてしまいました。この場をかりてお詫び申し上げます。すいません!
仕事の方は時差もありますから、こちらから一方的に連絡して状況を把握。
特に問題もなく、連絡する必要すらなかったかも知れません。
それもこれも留守中、頑張ってくれていたスタッフのおかげですね。
感謝です。おかげ様でいい夏休みになりました。ありがとう!
二年前の前回、“日本は美味しい” なんて記事にしてましたけど、
相変わらず何食っても美味しいですね、日本は。脅威のコスパ、幸楽苑のラーメン!
そして、今回特に感じたのは、日本はどこに行ってもキレイ。清潔ですね。
中でも、トイレには感動すらしました。
とあるトイレの話。以下長文なので、ぶっ飛ばしていただいても結構!
路面にはうっすらと陽炎が、外気は恐らく30℃をゆうに超えていただろう。
エアコンの効いた売店を通り抜け目的の場所を探す。タイムリミットは近い。
どこをどう通り抜けてきたのか、辺りを見渡し矢印だけを頼りに小走りに急ぐ。
冷房が効いているとはいえ、汗は額をつたい、シャツの下は不快指数100%。
ようやく見つけた、自分だけの空間を。極限状態の中、急ぎ足で角を曲がる。
モダンなレイアウトはそこがトイレであるとはにわかに信じがたい。
ずらりと並んだ小用便器に脇目もふれず、奥へ。ただ一時の安堵を求め。
高級感漂うダークウッドの壁が天井まで届き、間接照明が辺りを照らす。
一見どこに求めている個室があるのか、立ちはだかる壁の前で、
開けぇ〜 ゴマ!と唱えたかどうか。視界に入り口を見つけ、そっと押した。
その先には、これまた落ち着いたアイボリーの便器が上品に鎮座していた。
決して広すぎず狭すぎないその空間は、心地良いさわやかな香りに包まれていた。
吸い込まれるように一歩足を踏み入れ、おもむろに鍵を閉める。
そして振り返ると、いつの間にか彼は大きく口を開け待っていてくれた。
いかにも座り心地の良さそうな便座が、さあどうぞ!と迎えてくれていたのだ。
おー、なんというおもてなしの心。
便座にカバーを敷き、ベルトに手をかけホッと吐息を漏らす。
すかさず、ほてった体を癒すかのように何とも心地のいいひんやりとした感覚が、
太もも辺りからジ〜ンと伝わってきた。き、気持ちいいぃ〜。
その瞬間、シュォーっと。かすかだが確かに空気の流れを感じた。シュオォォー
日本に到着するや否や、連日食い倒れるかのごとく食べ続け、シュオォォー
腹に溜まりに溜まった我が分身から放たれる芳醇な香りを、シュオォォー
全て吸い取ってやろうとばかりに、今か今かと待ち構えていたのである。
おー、なんと甲斐甲斐しいのだろう。
どれほど座っていただろうか。いや、ただ座っていたわけではない。
実際には戦っていたのだ。互いに一歩も譲らない攻防、時間だけが過ぎて行く。
そして、雄叫びを上げた。うおぉおおお〜!勝ったのだ . . . 。
相変わらずどこからともなく、主張しすぎないさわやかな香りが包み込む。
ここが荒れた戦場だったとは微塵も感じさせないほどに。シュオォォーーーー
おー、なんと控えめなんだろう。
ずーっとここに座っていたい!アメリカには帰りたくない!
とさえ思わせてしまうその空間とも、ついにお別れの時が来た。
そう、独り占めするわけにはいかないのだ。彼もそんなことは望まないだろう。
一時の安堵を求め、彼を必要としている戦士達は他にも沢山いるのだ。
ふと気が付けば側面の壁にアルミ削り出しの何とも品のあるスイッチが、
横一列に規則正しく並んでいるのに気が付いた。
それぞれ小さなマークが刻み込まれ、恐らくをウォシュレットなのだろうが、
見慣れないマークもちらほら。眉間にしわを寄せ考えるも . . . やっぱり “?”
不覚にもスイッチを押してしまい。四方の壁だけが全て倒れてしまったら。
はたまた便器ごと空高く舞い上がってしまったら。いや、自爆スイッチか . . .
そんなコントのような展開が一瞬頭をよぎった。
いかんいかん、まったくしゃれにならん。
こんな豪華なトイレは、きっとドッキリのためのセット。
CCDカメラがどこかに設置されているやもしれん。 キョロキョロ。ある分けないか
結局、恐らくウォシュレットであろうそのスイッチを押すことが出来ないまま、
その前方のトイレットペーパーに手を伸ばせば、ウィーンと自動で紙が出てきた。
何とも上質な肌触りの紙、その端は手に取り易いようにか三角形をしていた。
おー、なんと言う気遣いだろう。
別れの時。後ろ髪引かれる思いを断ち切り、
死闘を繰り返した我が分身に一言、別れを告げようと立ち上がり振り返る。
しかし、そこにはもう何の痕跡も残ってはいなかった。
無情にも思えるが、一戦交えた相手に情けは必要ない。そう言われているようで。
それが彼なりの優しさなのだろうか。未練を残すぐらいならいっそ刹那に。
おー、なんと言う潔さだろう。
そして、扉を開け振り返り、至福の時を与えてくれた彼に軽く頭を下げると、
彼もまた頭を下げるかのように、その口を閉じた。
そして訪れるであろう新たな戦士を待っているんだ、きっと。
おー、なんと健気なんだろう。
急いでたので気が付かなかったが、よくよく見渡すと何とも豪華である。
税金の無駄遣いだと言えばそうなのだが、アメリカではまずお目にかかれない。
とある高速道路のサービスエリアのトイレだという事にただただ驚きながら、
その場を後にした。またいつか . . . 。
そんな日本が大好きだ。そして、そんな日本を誇りにも思う。
バカ話にお付き合い頂き、ありがとうございました!